なぜ、退会連絡を2か月前に設定しているのか

退会は、2か月前までにご連絡頂きたい旨を、レッスン規約に記載しています。

 

生徒様の中には、どうして2か月前で無いといけないの?と疑問に感じる方もいらっしゃるかもしれないと思い、私の思いをお伝えすることにしました。

 

お辞めになるには、色々な原因があると思います。

急に決まった転勤など、止むを得ない場合を除き、多くの場合は、「ピアノを辞める」という選択肢が少しずつ浮上してくることが多いです。

 

・練習しないから

・上手にならないから

・他の習い事が忙しいから

・勉強が忙しいから

など

 

少しでも、「ピアノを辞める」という選択肢が浮かんだ段階でご相談頂きたいと思っています。

もしかしたら、ピアノは嫌いじゃないけれど、小学校から中学校に進学して、帰宅が遅くなったり、塾通いが始まったりして、練習時間が確保できないのであれば、練習しないで、レッスンだけで続けるという方法もあります。(発表会などのイベントのご出演を希望された際は、ご自宅での練習は必要になってきます)と、ご提案して、良い解決法が見つかるかもしれないからです。

 

また、どうしても続けることが難しい、という場合には、最後に何か1曲仕上げて記念にして欲しい、保護者の方に見て頂いたり、動画に撮って思い出にして欲しい、と考えているからです。

もちろん、最後には、お互いにご挨拶をして、また、レッスンに来てもらえたら嬉しい、ということも顔を見てお伝えしたい。

 

在籍中の生徒様にもご迷惑が掛かるのを防ぐ目的もあります。

レッスン枠移動を希望している他の方に、2か月後には枠の移動が可能である旨をご連絡して差し上げられていたら、辞めずに済んだかもしれない方がいらっしゃるからです。

 

今時の考え方とは違うかもしれませんね。

もしかすると、私の気持ちや考えが、1年後には変わっている可能性が無いとは言い切れません。

 

けれども、折角ご縁があって、木村ピアノ教室に来てくださり、一緒にピアノの練習をしたのですから。

ここ数年の事例

事例1 「先月末で辞めます」

今月に入って、こんな悲しいことがありました。

 

ご連絡を頂く3日前には、「次回のレッスンも宜しくお願いします」というようなLINEを頂戴していたのですが、突然「先月末で辞めます。他の習い事が忙しい、親も仕事が忙しいので練習を見てあげられない、休講日に間違えて度々レッスンに行かせてしまう、このままではピアノが嫌いになりそうなので、辞めます。先生にはピアノを楽しく続けられるようにお願いしたはずなのに残念です。」

 

という内容のLINEが着ました。

発表会に向けて、好きな曲を選んで練習をされていて、できる限りのサポートもしていたはずなのに、と、とても悲しい気持ちになりました。

 

私のせいでピアノが楽しくなくなったのなら、申し訳ないのですが、何年も通ってくださっていて、レッスン毎にご様子やご提案のご連絡をしていたのに、どうして、そこまでになるまでにご相談頂けなかったのか・・・

コミュニケーションが足りなかったのかもしれない、と反省すると同時に、レッスン規約に2か月前までにご連絡頂く必要がある旨を記載しているのに、先月末で辞める、と、LINEでご連絡を頂いたことが、私には、とても非常識に感じました。

 

 

事例2 休会後の退会連絡

ピアノとの向き合い方に悩まれているご様子だと、保護者様からご連絡があり、ひとまず休会して、リフレッシュしてから、再開したいとのことでした。

休会期間中は、無料でレッスン枠の確保をしておりましたので、他にご入会希望のご連絡を頂いたり、レッスン枠を移動したい、という方がいらしても、お断りするしかありませんでした。

2か月後・・・

 

「やっぱり、退会します」とLINEでご連絡があり、そのまま退会されました。

 

2か月間、ポツンと空いてしまった枠を、そのままにして、戻って来られるのをお待ちしていたのに、最後に生徒さんと顔を合わせることも、ご挨拶をすることもできないまま、お別れすることになり、とても悲しかったです。

 

退会の連絡をするのって、嫌ですよね。

でも、辞める時って、きちんと挨拶するのがマナーだと思うのです。

 

退職連絡や手続きの代行業者が存在する、今のご時世でこんなこというのは、違うかもしれないのですが、1対1で、色んな話をしたり、できないことを解決できるように一緒に工夫したりして過ごしたピアノレッスンを、LINEの文章で一方的に終わらせる、人との繋がりを一方的に「さようなら」で終わらせる姿をお子様に見せている、それは無作法だったり、失礼だったりしない、という教育をしていることになりませんか?

 

 

事例3 今日で辞めます

月末のレッスン開始、数分前のこと。

保護者様より、連絡用LINEにメッセージ「今日で辞めることにします。ありがとうございました。」

 

レッスンには、お子様一人でいらっしゃっていたので、保護者の方とお話することもできず、お子様に尋ねたところで、「はい。塾が忙しくなってきたので辞めます。さようなら」とのこと。

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レッスン枠は、その生徒様のためだけに空けています。

お問合せやご入会希望のご連絡があっても、埋まっていると、お断りするしかないのです。

レッスン枠移動希望の方がいらしても、お断りするしかないのです。

 

休会中も、ポツンと空いた枠は、活用することができず、時間が過ぎています。

レッスンはしていなくても、その枠の時間が終われば、また他の方のレッスンがあるので、夏や冬はエアコンやストーブをつけ、ただ30分過ぎるのを待つしかないのです。

スイミングなどは、複数人の生徒様が一緒にレッスンを受けますので、仮に休会しても、先生は他の方のレッスンを、通常通りすることが可能です。

けれども、ピアノレッスンは、1対1でレッスンを行い、その方の為だけに時間を空けてお待ちしているのです。

 

私は生徒様には「自分の家族なら、こんな風に指導して欲しいって思うだろうな」ということを考えてレッスンしています。

一人一人の生徒様を大切に思っています。

だって、数あるピアノ教室の中から、木村ピアノ教室を選んで来てくださっているのですから。

 

もし、退会されても、道でばったり会ったら、笑顔でご挨拶したいじゃないですか。

わざわざ、お互いにイヤな気持ちになるような別れ方をするのは、止めませんか?