人生の中での楽器演奏の役割、などと大きなタイトルになってしまいましたが、
とても大切なことだと感じる出来事がありましたので、皆さまにお伝えしたいと思います。
私の両親は京都の実家で夫婦2人で暮らしています。
5年ほど前に、父が病気になり、それからは手術や投薬などで、病院通いをしています。
母が付き添って病院に行っているのですが、二人とも80歳を超えていますので、通院だけでも大変なようです。
朝から検査、午後から治療、で、帰ってきたら夕方になるとのことでした。
けれども、母は言っていました。
「音楽をやっていて良かった」と。
色んな嫌なことを考えずに、没頭できるのが、良いのだとか。
母は大正琴を60歳くらいから始めました。
今では、高齢者施設などへのボランティア演奏をライフワークにしていて、市や府から表彰されるまでになっています。
習いたい、とおっしゃって下さる方には手ほどきもしているようです。
父の病気や病院への付き添いなど、気が滅入ることがあっても、大正琴を弾く、仲間と演奏しに行く、ということが日々の中にあるから、気分転換ができて、本当に良かった、と。
これは、ピアノでも言えることだと思います。
先日レッスンにいらした、子育て真っ最中の20代の生徒さん。
お祖母様が音楽の先生を昔していらしたそうで、生徒さんが子どもの頃、お祖母様と一緒にグランドピアノを弾いて遊んでいた様子のお写真を見せてくださいました。
今では認知症が進行しているけれど、手が覚えているらしく、たまにピアノを弾いているみたいです、とのこと。
きっと、気分転換にピアノを弾いていらっしゃるんでしょうね。
ピアノは一人でメロディーも伴奏も演奏できるので、一人でできるのが良いところ。
また、どこかへ行かなくても自宅で弾きたい、と思った時に弾けるのも良いところ。
自分が好きな曲を弾いて楽しむのはもちろん、誰かが聞いて喜んでくれたら、嬉しいですよね。
子どもの頃に基本的なことを習っておけば、大人になっても、ある程度の弾き方は思い出せます。
大人になってからだってもちろん、遅くはありませんよ。
だって、私の母親も子育てがひと段落して、自分の時間が持てるようになってから大正琴を始めたのですから。
(きっかけは、テレビのパソコン教室のコマーシャル。あるタレントさんが、「あん時やってれば良かった、って思う訳よ。そこの姉さん、あんたも何かやっとかないと、すぐにババアよ」という言葉に、触発されたようでした。)
もし、本当はピアノやりたかった、やってみたいな、でも、子どものうちからやってないと、上手にならないよね。
と、お考えでしたら、全くそんなことはありませんよ。
また、お子さんに、長い人生のお供として、何かを、と考えていらっしゃるなら、楽器演奏はオススメです。