中学受験、高校受験、大学受験・・・人生の大切な場面で訪れるターニングポイント。
全力で受験に挑みたいからこそ、色々なことを我慢したり、諦めたりする方も多いと思います。
中でも、受験を理由にピアノを続けることを諦める選択を検討されている方は、ピアノが息抜きや気分転換になるのであれば、続けた方が良い結果に繋がることもある、ということをお伝えしたいと思います。
先日、高校受験合格を知らせてくれた中学生さん。
この生徒さんは、中学校のテスト前だろうと、高校受験日まで1週間を切っていようと、レッスンを休んだことはありませんでした。
もちろん、練習量が減るのは当たり前なので、次回のレッスンまでにやってこなくてはならないことは課しませんでした。
「息抜き程度に弾けるなら、今日やった所を復習しておいてね」
と、お伝えするくらいでした。
受験日1週間前を切ったレッスン日に、その生徒さんに質問しました。
「受験前だと、習い事を休んだり、辞めたりする人が多い印象なんだけど、両立することができたのは、どうして?」
生徒さん「中途半端に辞めたくないからです。実は、他にも習い事も続けているんですよ」とのこと。
なんと、ピアノだけかと思ったら、塾以外に、週に3つ、勉強以外の習い事を続けていたのです!!
この生徒さんのお母様は、何でも自分で決めなさい、という教育方針らしく、ピアノを続ける選択も、自分で決めたそうです。
(親なら「ピアノを弾くより、勉強しなさい!」と言いたくなりそうですが、見守ることができるお母様を尊敬しています。)
小学生の頃から、何でも自分の責任で、自分で考えて行動するように教育されていたそうですが、現在に至るまでに、数々の失敗をして、成長してきたとのこと。
中でも、印象的だったのが、寝坊で遅刻してから、目覚まし時計を2つにした、というエピソードを聞いたことです。
「その時、お母さんに“どうして起こしてくれなかったの!?”って、文句言ったりしなかったの?」と尋ねると、「起きられなかったのは自分の責任だから、誰かに文句を言ったり、誰かのせいにしたりしない」とのこと。
勉強も、習い事も、うまくいかない時は、自分の努力不足、自分の責任、と考えているそうです。
だからこそ、受験生であっても、自分で両立しようと決めて、見事に合格を手にされたのだと思います。
そうは言っても、ピアノが負担になると感じたことがあったのではないかと思ったのですが、生徒さんは「気分転換に丁度良かったです」とのことでした。
(この生徒さんは、ピアノが上手なのはもちろんですが、成績はずば抜けて優秀で、生徒会活動、合唱コンクールピアノ伴奏など、多くの活動に積極的に取り組まれているのに、余裕を感じる人柄であることも付け加えておきたいと思います。将来は国際的に活動する仕事に就きたいとのことです。)
確かに、起きている間、ずっと勉強という訳にはいきませんし、休憩時間にテレビを見たり、ゲームをしたりするくらいなら、ピアノで息抜きというのは素敵だと思います。
レッスンに通うとしても、週に1回、たった30分だけのことですしね。
今まで、脳科学とピアノレッスンとの関係についてセミナーを受講して学んできたことからも、ピアノを続けることで、脳に良い影響を与えることは知っていましたが、今回の生徒さんの高校合格を受けて、さらに、皆さまに息抜きとしてピアノを上手に活用して頂きたいと思いました。
脳科学とピアノとの関係は以前のコラムでもご紹介していますので、参考にしてくださいね。
木村ピアノ教室の講師は「育脳ピアノレッスンの教科書」認定講師です。