受験生の習い事
中学受験する子どもの割合が年々増えているそうです。
受験するかどうか分からないけれど、もしも我が子が受験を考えた時に希望を叶えてあげられるように、
勉強はできないよりも、できるようにしておいた方が良い、と考えている方も多いと思います。
そんな時、勉強や塾と、お稽古としての習い事のバランスに悩まれることもあると思います。
その道のプロになる訳ではないなら、小学校高学年くらいで辞めて、勉強に専念するのはアリだと思います。
実際、習い事と勉強のスケジュールを両立させることも簡単では無くなってくるお子さんも多いです。
けれども、塾によっては「ピアノだけは辞めないでください」と言われることもあるそうです。
前回に引き続き、「中学受験で成功する子が10歳までに身につけていること」という本から、
ピアノを続けた方が良い理由をご紹介していきます。
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宿題がある習い事をしよう
「中学受験で成功する子が10歳までに身につけていること」という本の中で、
中学受験を考えていても、習い事をした方が良い、と書かれています。
もちろん、どんな習い事でも良い訳ではありません。
「宿題のある習い事」をすることが大切だと書かれています。
中でもピアノは良いと書かれていました。
ピアノはレッスンで先生に演奏を見てもらって、帰宅後、次のレッスン日まで、
先生から注意されたことができるように何度も練習します。
もちろん、プロのピアニストになることが前提ではありません。
楽器の練習、お稽古を通して、課題をこなし、上達する体験ができることが良いそうです。
最初は難しくて弾けそうにない、と思った曲でも、少しずつ練習すると、楽譜が無くてもスラスラ演奏できるようになります。
このように上達する体験を積み重ねることができるので、諦めずに続けて良かったという体験が人生において宝になるのです。
発表会やコンクールを体験する重要性
発表会やコンクールというのは、家で練習している時や、先生のレッスンを受けている時とは違う緊張感があります。
一度音を出したら、もうあと戻りはできませんし、ペーパーテストのように間違えたから消しゴムで消してやり直す、ということができません。
ですかから、普段の生活では経験できないような集中力が磨かれます。
そして、お客さんに見られているから失敗しないように一生懸命取り組もうとします。
その結果、適度な緊張感から生まれる集中力を養うことができるようになるのです。
ピアノの発表会やコンクールを経験したことがある人は、学校の試験ではピアノほど緊張しない、という話をよく聞きます。
なぜなら、間違えても消して書き直すことができるので、ピアノに比べれば気が楽なのです。
面接においても、適度な緊張感と集中力、落ち着いて動く大切さをピアノを通じて会得しているため、他の人よリラックスして挑める人が多いようです。
大きな舞台で自分一人でピアノを演奏する。
仮に間違えてしまったり、止まってしまっても、自力で何とか演奏を続けなくてはならない。
多くの人がその数分間は自分だけを見ている。
この経験は、人生においてとても貴重な体験となることは明白です。
感情コントロールも身につく
ピアノという習い事は、自宅での練習が欠かせません。
毎日練習するのが理想ですが、高学年になってくれば、塾や勉強も忙しくなり、
2,3日おきの練習となることもあると思います。
ピアノを練習する時間や曜日は人それぞれ違っても、やらなくてはならないものです。
「今日はやりたくないからやらない」という選択を容認してはいけません。
そうすると、気分で動いても良いことを覚えさせる機会になってしまうからです。
中学生、高校生、大学生や社会人と成長していけば、自分の気分だけで動けることが少なくなってきます。
「この仕事は、やりたくない」
「この授業は、出たくない」
そんな大人になっては困りますよね。
(ブラックな仕事などの場合は、この限りではありません)
ですから、子どものうちから、ピアノという習い事を通じて、感情のコントロールを学び、
しなくてはならない勉強や仕事を、感情に流されることなく、こなすことができる人間に成長して欲しいと思っています。
もちろん、日によっては、練習に身が入らないこともあるかもしれません。
それは仕方がないことです。もちろん、病気などの時は、無理せず休むことも必要です。
けれども、決められたことは、やらなくてはいけない、と自分で思える力は大切ですよね。
次のレッスン日までに、弾けるようにしよう。
発表会やコンクールの日に向けて、ミスしない練習をしよう。
そういう取り組みが、中学受験にも役立つようです。
理想は、親が「練習しなさい!」と言わなくても、練習してくれる習慣です。
練習する、しない、で親子喧嘩にならないように、レッスンでは、次回までに何をしてこなくてはならないのかをお伝えしています。
小さいお子さんには「毎日5回弾こう」と分かりやすくお伝えすることもあります。
また、練習習慣が定着しないお子さんには、練習カレンダーを渡して練習した日を見える化するお手伝いをしています。