心の教育していますか?
”心の教育が大切だ”という話を聞かれたことがある方も多いと思います。
では、心の教育とはいったい何なのでしょうか?
本をたくさん読んで、想像力を豊かにすることでしょうか。
色々な実体験を積むことでしょうか。
もちろん、それらも心の教育には大切なことです。
今回は、心の教育について、具体的に何を育てていかなければならないのかについて考えていきたいと思います。
4つのCが大切!
多くの人がスマートフォンを所持し、調べもの、買い物、コミュニケーション、など、スマートフォンがあれば、何でもできる世の中になりました。
そんな昨今では、人間が機械を使うのではなく、機械に支配されているのではないかと、見紛う場面も少なくありません。
機械の進歩において、人工知能がさらに進化していくと、現在、人間が行っている仕事のほとんどが機械にとって代わられるということは、簡単に予測できます。
スーパーのレジではセルフレジは珍しくなくなりましたし、レジすらなくなってしまったコンビニエンスストアもメディアで紹介されるようになりました。
接客や配膳をロボットが担当するレストランも出てきています。
今日、子どもたちが学校などで学んでいることの多くは2050年までに、あまり必要では無くなっている可能性が高いと言われています。
なぜなら、膨大な情報にさらされている子ども達に、学校でさらなる情報を与えることに意味が無くなってくるからです。
そこで、多くの教育専門家は「4つのC」を教育していくべきだと唱えています。
4つのCとは①Criticalthinking(批判的思考)②Communication(コミュニケーション)③Collaboration(協働)④Creativity(創造性)です。
機械の進化にともなって、人間の心はバランスをとることが難しいこともあるかもしれません。
人間しかできないこと、機械に代わりが務まらないものを、突き詰めていくと、最後に残るのは芸術だといわれています。
だからこそ、子どもの教育だけでなく、人間はもっと芸術を楽しむことが求められるのではないでしょうか。
音楽でポジティブな変化が起きる!
少し古いデータになりますが、日本オーケストラ連盟が2016年に発表したデータによると、オーケストラの演奏を聞いた小学校1年生から6年生までの約3,000人を対象にしたアンケート結果は次の通りでした。
73%が「覚醒(自分が変わった)」勇気がわいてきた、前向きな気持ちになれた。と回答しています。
また、76%が「情操面でポジティブな変化を感じた」元気が出た、穏やかな気持ちになれた、毎日を楽しめるようになった。と回答しています。
これらのことからも、音楽に触れる時間を持つことで、日々の生活に潤いと活力を得ることができると言えます。
もちろん、これらは即効性があるものではありませんし、個人差はあります。
けれども、芸術活動、音楽活動を通して、心に変化が起きることは以前からいわれ続けています。
学校の勉強が大切なのはもちろんですが、心の栄養になる芸術も生活の中に取り入れることで、よりバランスのよい人生を送ることができるようになるのではないでしょうか。
心の教育のための取り組んでいること
豊かな創造性と感性を育てていく活動こそ、人工知能が進化していく今日においては大切だと考えています。
当教室では、どんな時でも心豊かに音楽を楽しめるために、楽譜に書かれている音だけを弾くようなレッスンはしていません。
もちろん、楽譜に書かれている記号や音符は自力で読めるように、ドリルやカードを使って練習していきます。
それだけではなく、曲のタイトルから想像できること、演奏してみて感じることを言葉や絵で表現する取り組みもしています。
歌詞がついている曲を演奏する時には、容易に情景を思い浮かべることができますが、ピアノのために作られた曲では歌詞が書かれていないことの方が多いです。
同じ曲を同じようにレッスンしていても、人それぞれ、思い浮かべれるものは違います。
演奏する人が違えば、見えてくるものも違ってきます。
先日も、私は”森の奥で小鳥が数羽、さえずっている”ようなイメージを持ったフレーズがあったのですが、
生徒さんがレッスンで演奏されるのを聴いた時、”小鳥ではなく、湖の水面がキラキラと輝く様子”だと感じたのです。
自分が弾いてみた時と、人が演奏しているのを聴いた時でさえも、印象が変わることがとても面白かったです。
こんな風に想像力を働かせて音楽を楽しむことは人工知能には取ってかわることはできません。
自分で音楽を演奏することが難しい、という場合は、CDやラジオ、テレビやインターネットを活用されてはいかがでしょうか。
探せば、無料で楽しむことができる上質な音楽はたくさんあります。
家事がひと段落したコーヒータイムにはテレビを消して、ゆったりとしたクラシック音楽のCDを流してはいかがでしょうか。
子どもとおやつを食べる時には、軽快で分かりやすいアンダーソンの音楽などはいかがでしょうか。タイトルから色々想像できて楽しいですし、図書館にもアンダーソンのCDは置かれていることが多いです。
音楽は聞こうとしなくても、耳に入ってきます。
テレビのコマーシャル、お店のBGMなど、様々なところで好みとは関係なく音楽が耳に入ってきます。
たまには、自分で選んで、心の栄養になる音楽を楽しむのも良いのではないでしょうか。