楽譜が読めて、ちょっとピアノが弾ければ良い?!
ピアノを習い事として考える時というのはどのような時でしょうか。
- 子どもが「ピアノを習いたい」と言い出したから、ピアノ教室を探してみようか。
- 楽譜が読めて、ちょっとピアノが弾けると楽しそうだから、ピアノ教室を探してみようか。
- ピアノを習うと、頭が良くなるらしいから、ピアノ教室を探してみようか。
- 情操教育に良さそうだから、ピアノ教室を探してみようか。
などのようなパターンが大半だと思います。
そして、親としては、長く続けて欲しいけれど、
中学校に入学して、クラブ活動が忙しくなったり、
勉強が忙しくなったら辞めるのも仕方ないかな、
と思われている方が多いのも現実です。
ですから、小学校に通っている間に、楽譜が読めるようになって、
ちょっとピアノが弾けるようになったら良いな、と思って
ピアノのおけいこを始められる方が多いように感じます。
ピアニストにならないとしても先生選びは慎重に
ピアニストになる訳ではないから、ピアノの先生なら、誰でも良い、と思うと危険です。
なぜなら、ピアノの先生になるのは、学校の先生になるのと違い、
国家資格が無いからです。
極端な話をすると、ピアノは弾けないけれど、
本でピアノの弾き方を勉強したし、セミナーにもたくさん通って
ピアノレッスンについて勉強してきたから、ピアノの生徒を募集しても良いのです。
それで、生徒が来ればピアノ教室として成立するのです。
もちろん、それでも上手に教える先生はいらっしゃることでしょう。
けれども、音大受験やグレード試験、あるいはコンクールなどの試練を通過していないと、
かなり自己流なピアノの弾き方になっている可能性があります。
そんな自己流の弾き方を生徒に教えてしまったら、どうなるでしょうか。
将来、もっとピアノが弾きたい、と思った時。
将来、お友達とアンサンブルをしようと思った時。
必ず、壁にぶちあたってしまいます。
もちろん、巻き返すことはできますが、かなり遠回りになってしまいます。
私も、子どもの頃にあんなことや、こんなことを、教えてもらっていたら、
もっと近道ができたのに・・・と感じたことがあります。
けれども、私が子どもの頃はインターネットでピアノの先生を探すなんてできませんでしたし、
先生が一体、どんな勉強をされて、先生になったのかを知る術はありませんでした。
もちろん、先生に直接「どこの音大を出てらっしゃるのですか?」「どれくらいのレベルまで対応してもらえますか?」
と質問すれば良いのでしょうが、質問するには、かなり勇気が必要です。
近所の先生だから。
月謝が安いから。
お友達が多く通っているから。
それも、先生選びには大切な要素だと思います。
けれども、インターネットが普及した今は、先生の経歴やどんな方針でレッスンをしている教室なのか、
調べれば、簡単に分かってしまいます。
ピアノの先生を選ぶ時は、レッスンに通うニーズに合うかどうかはもちろんですが、
きっちり教えてくれる先生かどうかにも注目して選ぶ方が良いでしょう。
そして、ピアノレッスンに通うことが楽しくなりそうかどうかも大切にして下さい。
また、「ピアノ教室」としているのに、
レッスンは電子ピアノで行われていることもあります。
電子ピアノとピアノでは作りが全く違います。
アップライトピアノとグランドピアノでも作りは違います。
生徒さんがグランドピアノを購入するにはハードルが高いかもしれませんが、
せめて、レッスンの時だけでも、グランドピアノに触れる機会が持てると良いのではないでしょうか。
ピアノのテクニック+アルファ
楽譜が読めて、ピアノが弾ければ本当に良いのでしょうか。
過去に、よその生徒さんの発表会を見た時にビックリしたことがあります。
客席へのお辞儀は止まらずに移動しながらしていたこと。
また、ピアノの椅子に座った瞬間、弾き始めたこと。
曲の最後の音の余韻が残っているのに、
譜面台の楽譜に手を伸ばして立ち上がってしまったこと。
いくら、きっちりテクニックとして弾けていたとしても、
これではダメだと思います。
お客様へのお辞儀は、きっちり立ち止まって、落ち着いてお辞儀をしなくてはなりません。
また、椅子に座って、気持ちを落ち着かせ、最初の音をしっかりイメージして、
どんな風に演奏するのか、どんな風景を作りだすのかを決めてから弾くことが大切です。
曲を演奏し終わったとしても、最後の音の響きが消えるまでが曲です。
その音が消えるのを見届けてからでないと、椅子から立ち上がるのは良くありません。
楽譜を読めて、ピアノが弾ける。
プラス、そういう細かい所まで教えてもらえるようにしておくと、
きっと、長い人生の中で役立つ時がきっと来ます。
ピアノがいくつかの習い事のひとつであったとしても、
ピアノのテクニック、プラスアルファも大切にして頂きたいと考えています。