“ピアノが弾けるようにするためには、早いうちから先生に習わせなないと!”
そう思っていらっしゃる方は多いかもしれませんね。
もちろん、「うちの子は、絶対に将来はピアニストにする!」というのであれば、
それも大切なことです。
けれども、音楽を楽しめる人になって欲しい、
というのであれば、まずは生活の中にお子さんと一緒に音楽を楽しむことから始めてみては如何でしょうか?
CDやインターネットで一流の演奏家の音楽を聞かせたり、
テレビで子ども向けの音楽を聞かせたりしているだけでも音楽は好きになるでしょうが、
楽しむところまでは、たどり着けないこともあります。
普段の生活の中で、素敵な音楽に触れ、大好きな人達と一緒に歌う楽しさ、
心地良さを知らずに育ってしまえば、仮に音楽の才能があったとしても、
開花することは、ほとんどありません。
ピアノやヴァイオリンなど、音楽のレッスンに通わせていたとしても、
1週間に30分、1ヵ月で2時間くらいの時間でしかありません。
(もちろん、ご自宅での練習は必要なので、楽器に触れている時間はもっと長くなります)
お子さんが小さいうちは、親御さんがお子様に歌ってあげることが
何よりも素晴らしい音楽の教育になります。
豊かな人間関係の中で音楽に親しむからこそ、
情操教育として豊かな心を育むことができるようになっていくからです。
そこで、自宅でもできる簡単な”まねっこ遊び”をご紹介します。
お子さんの名前を呼ぶとき、「○○ちゃん」と普通に呼びかけるのではなく、
音程を変えてみたり、リズムを変えてみたりしてみるのです。
名前を呼ばれたお子様は、呼ばれた時と同じ音程やリズムで
「はぁい」と返事をするようにします。
もちろん、出来ないからといって、厳しく何度も練習する必要はありません。
初めは難しくて出来なくても全く構いません。
ご両親が一緒にお返事をしてあげれば、何回か遊んでいるうちに、
呼ばれた時と同じように返事をするのだな、とお子様も分かってくるはずです。
他には、「今日の夕ご飯は何が食べたい?」と、お子さんに質問してみて下さい。
「オムライス!」と言われたら音程やリズムを変えて、「オムライス」と歌ってみましょう。
もちろん、適当な音程やリズムで構いません。
そして、「一緒に言ってみよう」と音程やリズムに注意しながら一緒に歌います。
もしも、音程が分かりにくい様子なら、音の高低を手で示しながら
「オムライス」と言ってみるのもオススメです。
親御さんが子どもの頃、お友達を遊びに誘う時
「○○ちゃん、あーそーぼー」と歌うように言いませんでしたか?
また、かくれんぼをする時には「もーいーかい?」と歌うように言いませんでしたか?
これは、歌うつもりで言っているのでは無かったにしても、
同じ音程、同じリズムで毎回使っていたと思います。
このような音楽遊びを、毎日の育児に少しだけ取り入れてみるのもオススメです。
ご両親のオリジナルで良いのです。
散歩に行くときは「お散歩に、いーこーおー」と上の時と同じように言ってみたり、
子どもに「公園へ行こう」と言われたら♪こーえん♪とパパやママが歌い、子どもにマネをさせてみましょう。
こういう小さな積み重ねをしていくことが、音楽を楽しむことに繋がっていきます。